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2012年10月21日 (日)

映画「アシュラ ASURA」

Photo_2           (パンフレットの表紙)

【概要】
舞台は15世紀中期の日本。災害による飢饉と繰り返される戦によって村々は荒廃し、生き地獄と化す。そんななか、1人の赤ん坊が産み落とされ「アシュラ」と名づけられる。1970年に発表された、ジョージ秋山原作のドラマ。

【主なあらすじと感想】※一部ネタバレを含みます
 ボロボロの着物をまとった女性、藤乃は荒れ果てた寺で赤ん坊を産み落とします。この子がアシュラです。間もなく寺には血や肉の匂いを嗅ぎつけた野犬が現れます。すると藤乃はまさかりを振り回し、我が子を必死に守ります。

 辺りは一面焼け野原で、助けてくれる人はいません。生まれたばかりの赤ん坊にとって過酷な状況です。藤乃はアシュラを育てるため歯を食いしばり前を向きますが、2人を取り巻く状況は日増しに悪化します。

 やがて幼い主人公のアシュラは、想像を絶する状況に放り出されます。しかし、簡単に救いの手がさしのべられることはありません。百姓娘の若狭や、さすらいの僧侶「法師」など、アシュラを助ける人々はいます。しかし若狭は生々しい感情を持った1人の女として描かれており、美しいだけの存在ではありません。また法師は人生の師となるものの、アシュラが自ら答えを出すのを辛抱強く見守り続けるため、アシュラは長いあいだ苦しむことになります。

 アシュラを取り巻く厳しい描写は冒頭から続きます。製作陣の覚悟を感じ、見ている途中で何度も圧倒されました。中途半端な甘さとか、軽妙さとは無縁です。物語が進むごとに人間の欲、醜さや狂気が容赦なく暴かれていきます。そこに、この作品の素晴らしさがあります。生きることのすごさを伝えてくれる映画です。

【パンフレットを読んで】
●構想
さとうけいいち監督のインタビューによると、当初は若狭とアシュラを「美女と野獣」のような関係にする構想もあったとか。そうならなくてよかった! 今回の物語を観ることができて良かった!「生きる」をテーマに真っ正面からガチンコ勝負している感じがとても好きです。

●企画意図の文面
「アシュラ」は1
970年、少年誌に掲載されました。しかし描写がショッキングだという理由で社会問題に発展したそうです。このとき少年誌の編集部が企画意図について誌面でコメントを発表したということで、jその全文がパンフレットで紹介されています。

●リアリティ溢れる人物と背景

本作ではCGが使用されています。水彩画の調子のなかに、ライティングや画面の揺れといった効果を取り入れ、よりリアルに表現しているそうです。とくに終盤に大勢登場する村人の描写は迫力があります。これは実際の人間の動きを取り込んでいる(モーションキャプチャー)そうですよ~。

●アシュラの公式サイトはこちらから

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