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2010年7月26日 (月)

音楽劇「じゃじゃ馬ならし」

【あらすじ】
資産家バプティスタには2人の娘がいる。「じゃじゃ馬」として恐れられている姉のキャタリーナと、理想的な淑女として知られる妹のビアンカだ。父のバプティスタは気の強いキャタリーナの行く末を案じ、あるとき妙案を思いつく。
それは「キャタリーナが結婚するまではビアンカを誰にも嫁がせない」というものだった。かくしてビアンカ狙いの紳士たちは自分の愛を成就させるべく、キャタリーナの結婚相手を捜すのだった。
シェイクスピア作品「じゃじゃ馬馴らし」をスタジオライフが劇団ならではのアレンジを加え「じゃじゃ馬ならし」として上演。

【感想】
スタジオライフ版「じゃじゃ馬ならし」では、売れない女優のリージーと猫おばさんが狂言回しとして登場します。そこがよかった。「昔の結婚は家の繁栄をかけた、命がけのイベントだった」というような一言があり、時代背景を教えてくれます。こういう解説がないと嫁の持参金だの財産だの、カネ中心の結婚話でお芝居が盛り上がる前にドン引きです。

オール男性キャストというのもよかった。なにせキャタリーナがペトルーチオと結婚したあとの暮らしがキケンなんです。彼女が少しでも口答えするとペトルーチオは飲ませず食わせず眠らせず、の状態にします。これ、女優さんがキャタリーナだったら生々しくて見てられません。ペトルーチオにもちゃ~んと流儀があって、実は彼も飲まず食わず眠らず、を貫いてるんですけどね。

もちろんシェイクスピアらしい、比喩いっぱいの長ゼリフはそのままです。そこが脚本・演出の倉田淳さんのすばらしさ。「マージナル」を観たときにも思ったけど、倉田さんは原作のセリフを決して自分流に変えたりしない。書籍やマンガを舞台脚本にするのはある種の翻訳。倉田さんの脚本に触れると身の引き締まる思いがします。

ということで、シェイクスピアらしいセリフをそのままに、かつ歌とダンスで味付けをした本作。3時間の長丁場も最後まで楽しむことができました。「古典の芝居は理解しづらくて苦手」という方にもオススメです。

※余談:
・パンフレットによるとキャタリーナは「飼い慣らされた」わけではないそうです! 彼女を表すセリフは"She will be tamd'd so"と未来形で終わっているとか。時制は大切。

・ダンスが楽しかった。ラインダンス風の味付けもあってステキ。
・リージー役の林勇輔さんの歌は絶品。彼は真のエンターティナーです。

・曽世海司さんのペトルーチオと青木隆敏さんのキャタリーナもよかった。青木さん、気の強い女性が可愛らしかった。長ゼリフの達人、曽世さんもよかった。曽世さんの長ゼリフはライフ公演の楽しみの1つ。

・トラーニオ役の山崎康一さん。ああ、何てシェイクスピアのお芝居が似合うんだ。

「じゃじゃ馬ならし」公式サイト
http://www.studio-life.com/stage/jajauma2010/index.html

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